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筋トレした後にストレッチ、ジョギングやウォーキング…といった『クールダウン』を取り入れている人も多くいるだろう。
しかし…アクティブ・クールダウン(ウォーキングやジョギング)には、効果があるとは言えないというのが研究で分かっています。

意外だろうが、ジョギングするよりマッサージやストレッチをする方が最も効果的だと言われている。
ジョギングする目的は人それぞれですが…検証報告にはネガティブな結果ばかりだ。

さらには、あの山本 義徳先生も有酸素運動をやめるように推奨しているぐらいだ。

今回は『筋トレ後のジョギング(有酸素運動)は意味がない!?』をご紹介していきます。






今までの常識が効果なしと言われている7つの理由。
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ジムに行くと多くの人が筋トレした後にジョギングやウォーキングをしたり、ストレッチなどでクールダウンをしていると思います。
中には、筋トレした後に全くしないで帰る人もいるのでさまざまである。

実際には、アメリカのトレーナーの89%がクールダウンを推奨しているのです。

クールダウンには、大きく分けて2つあります。
・アクティブ・クールダウン…ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動
・パッシブ・クールダウン…マッサージやストレッチなどの柔軟体操


これまでは、アクティブ・クールダウン(有酸素運動)には、パッシブ・クールダウン(ストレッチ)に比べると

疲労に関与する代謝産物の減少や筋肉痛の軽減、心拍数の回復などの多くの有益な効果があると言われてきました。

これらのアクティブ・クールダウンによる効果を検証したのが、オランダ・マーストリヒト大学のヴァン・ホーレンらです。

2018年にヴァン・ホーレンらは、これまで研究報告された筋トレ後4時間以降のアクティブ・クールダウンによる効果を検証したレビューを報告しました。

これらの研究によると…残念ながらアクティブ・クールダウンについてこれまでの効果があると言われてきた、常識が否定されているのだ。








疲労が取れるというのは嘘
これまで、筋トレした後にはクールダウンをして、乳酸を除去することが早期の疲労回復につながると言われてきました。
しかし…近年では、疲労は乳酸から生じるものではなく、水素イオンの蓄積によって筋肉が酸性(アシドーシス)になることが原因だ。

そこで、アクティブ・クールダウンよる筋肉の酸性に対する効果を検証した結果、

運動から80分後の酸性を低下するような効果はみられなかった。


すなわち、アクティブ・クールダウンによる乳酸の除去効果は期待できるのですが、
肝心の『筋肉の酸化を防いで疲労回復できる』という根拠は存在していない。







筋肉痛が減少されるというは嘘
アクティブ・クールダウンには、筋肉痛による痛みや筋損傷マーカーの減少効果がある

という説は、長年トレーニーたちの間で“常識”でした。

アクティブ・クールダウンが筋肉や皮膚への血流を増加させることで、
乳酸や筋肉痛の因子の蓄積を減少させ、筋肉の修復を加速するという風に考えられてきた。

しかし…その後の多くの研究報告でその説は否定され続け、2018年に発表された体系的なメタアナリシスにおいても、
アクティブ・クールダウンによる筋肉痛の痛みや筋損傷マーカーを減少させる根拠は示されなかった。







脳疲労が改善されるという嘘
筋力の発揮には神経活動が大きく関与しています。
そのため、高強度トレーニングした後には、筋肉の疲労だけではなく脳が疲労する中枢性疲労も生じている。

かつては、この中枢性疲労に対してもアクティブ・クールダウンが効果的であると言われてきました。

しかし…高強度トレーニングした後のアクティブ・クールダウンによる最大筋肉、電気誘発性筋力を計測した結果…
有意な改善効果としては全く認められなかったと言われています。








体が柔らかくなるという嘘
トレーニングを疲労困憊まで行っていくと、筋肉の損傷によって筋肉の硬さが生じ、関節の運動範囲(可動域)が狭くなっていきます。
アクティブ・クールダウンは、この筋肉の硬さを改善し、関節の運動範囲を広げると言われてきました。

しかし…現在までそのような報告には、アクティブ・クールダウンが
筋肉の硬さや関節の可動範囲を広げるポジティブな結果は認められていない。

サッカー選手を対象にトレーニングした後のアクティブ・クールダウンによる筋肉の柔軟性を検証した研究報告では、
ストレッチによるパッシブ・クールダウンよ比較して有意な効果は認められなかった。

このようなアクティブ・クールダウンによる筋肉の硬さ、関節の運動範囲への効果についての検証は、
現在のところ7つ報告されていますが…全てネガティブな結果になっている。







筋力を回復させる『筋グリコーゲン』を合成できるという嘘
高強度トレーニングは、筋肉のグリコーゲンを貯蔵を枯渇させる可能性があり、
トレーニング後24時間までの筋力を損なうことを言われている。

そのため、アクティブ・クールダウンを行うことによって、
早期に筋グリコーゲンを再合成することが筋力の回復に有益だという風に考えられてきました。

しかし…多くの研究結果では、有酸素運動がストレッチと比較してみると、
筋グリコーゲンの合成速度に有意な差がないというのが報告されているとともに、有酸素運動においても効果として否定されている。

さらに注目しておきたいのが、有酸素運動により筋グリコーゲンの合成が妨げられる可能性があるのです。

高強度トレーニングした後に有酸素運動を行い、その45分後の筋グリコーゲンの含有量を調査した報告では、
ストレッチでは筋グリコーゲンが増加したのに対して、有酸素運動の場合はその増加を認められなかった。

その他の研究結果でも有酸素運動が筋グリコーゲンの合成を妨げられる可能性が報告された。








心拍数・呼吸数が回復するのは嘘
有酸素運動には、筋肉の生理的効果だけではなく、心拍数や呼吸数、
発汗や体温調整などの回復期間を短くするという効果が期待されていました。

実際にサイクリングトレーニングした後の有酸素運動による心拍数、呼吸数の回復効果を検証した報告では、
ストレッチに比べて効果が高いことが言われており、同様の結果が他の研究からも言われている。

しかし…他の報告では、ストレッチと比べて回復効果に差がないことも言われており、
十分な意見の一致が得られていないというのが現状だ。







心理的ストレスや睡眠量を回復させるのは嘘
さらには、トレーニングによる心理的なストレスの増加や睡眠量の低下が報告されていますが、

有酸素運動は、このような心理面の回復効果があるとされてきました。

しかし…多くの研究結果からこのような心理面、睡眠量へのポジティブな報告というものはなく、
逆にトレーニング経験の少ない場合は、有酸素運動が心理的ストレスを増大させる可能性があるといわれている。









クールダウンするなら気をつけるべき3つのこと。
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これらの研究報告をまとめてレビューしたヴァン・ホーレンらは、
「有酸素運動による効果としては、乳酸の除去効果は期待できるのだが、それ以外の生理的効果においては現在のところ有効性はない」

しかし一方では、クールダウンによるプラセボ効果は否定できず、
個人にあった有酸素運動の実施は否定しないとして、3つの注意点を述べています。

・血流を増加させることを目的として低〜中強度で行うこと。
・クールダウンによる更なる筋肉損傷を防ぐためにも低〜中強度で行うこと。
・筋グリコーゲンの合成を妨げないようにクールダウンは30分以内で留めること。


なんでもやり過ぎると、筋肉を分解しかねないですからね。






まとめ
  • 常識とされてきた7つのことがいい結果にならなかった。
  • 筋トレした後の有酸素運動は効果がない。
  • 有酸素運動より、ストレッチの方が効果あると言われいる。
今回は『筋トレ後のジョギング(有酸素運動)は意味がない!?』をご紹介させていただきました。
今まで、筋トレした後に有酸素運動を取り入れていた人は驚きの連発だろう。

しかし、検証報告としてのデータが薄いので、必ずしも有酸素運動が悪いというのは限らない。
だが、有酸素運動よりストレッチの方が効果としては期待できるというのは頭においておきましょう。