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TVでもこのような事を聞いた事があるのではないでしょうか?
「プロティンを飲み過ぎると、腎臓を悪くさせてしまうので危険」という話。

ある筋トレしている芸能人をこれを否定していたのですが、果たしてどうなんだろうか?
疑問に残ったまま、プロティンを控えめにしている人も多くいるのではないでしょうか?

実は、腎臓を悪くさせるのはプロティンではなく…皆さんが焼肉で食べるであろう『赤身肉』だったのです。
意外だろうが…焼肉でよく食べられているであろう『赤身肉』が実は腎臓を悪くさせてしまう要因だったのだ。

今回は『筋トレで飲まれるプロティンは腎臓に悪いのか?!』をご紹介していきます。






命を落とす実験が禁じられているので、解明されていない。
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TVで放送されたからといって、ごく最近の話だということではないのです。
だいぶ昔の1948年、ミネソタ大学のトーマス・アディダスらからの疑問から始まったものです。

「タンパク質を多く摂取すると腎臓を悪くさせるのではないだろうか?」

それ以来70年に渡って、世界中でタンパク質と腎臓の関係について議論をしていきましたが…
現在に至っても明確な答えが得られていないということだ。

明確な答えがない健康問題ほど、メディアの格好ネタになるので、TVでも声を大にして
「タンパク質の過剰摂取は腎臓に悪い」という過度に煽ってくる事が多いのだ。

しかし…なぜ今になって答えが出ないだろうか?
それは、答えを出すための実験を行うことが現代になっても論理的に難しいと言われているからだ。

それには、『人』を対象として行われる臨床研究は2つに分けられます。
・実験的な治療など対象への積極的な介入が伴う『介入研究』
・介入せずに対象に起こる事象を観察する『観察研究』


科学的に強力な根拠を示すためには、介入研究を行う必要があるのです。

タンパク質の過剰摂取が腎臓にダメージを与えているかどうか検証するには、被験者を対象にして実験するので、
大量にタンパク質を飲ませて、万が一腎臓を悪くさせて命を落としてしまうような実験は許されない行為なのです。

そういった意味では、このような実験をすることはなく時が流れていったのです。






大量のタンパク質摂取は、腎不全になり得る。
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そこで腎臓は、ホルモンの産出や血圧の調整など様々な機能を持っていますが、
もっとも重要なのが血液をろ過して尿に変え、老廃物や塩分、余計な水分を体外に排出する機能です。

身体中から集められた血液は、腎臓に入ると『ネフロン』でろ過されます。

『ネフロン』というものは、毛細血管が毛玉のように絡まった『糸球体(しきゅうたい)』と、
ろ過された尿(原尿)が流れる『尿細管』で構成されています。



引用先:旭化成ファーマ株式会社


糸球体でろ過された原尿には、老廃物以外にもアミノ酸や糖分、塩分やカリウム、リン、マグネシウムなどの電解質も含まれている。
そのため、尿細管を通る際、原尿の99%は身体の中に再吸収され、老廃物や余計な水分だけが尿になります。

必要以上にタンパク質を摂取しても、使われなかったものは通常、老廃物として腎臓にろ過されて体外に排出されます。
しかし…過剰な摂取が続いてしまうと、次第に腎臓に大きな負担がかかってしまう。


動物実験では、過剰な量のタンパク質を摂取すると、
糸球体のろ過機能に負担が生じて腎臓にダメージを与えるというのが分かっている。

糸球体のろ過機能が低下し、老廃物などが十分に排出できない状態を『腎不全』と言われています。

そのまま多量のタンパク質を摂取し続けていくと、さらに病状が悪化してしまうので、
腎不全の治療ではタンパク質の摂取を制限する食事療法が重視されている。

多くの識者やメディアは、こういった動物実験や腎不全の食事療法を根拠して
『タンパク質の大量摂取は腎臓に悪い』という風に植え付けてしまったということになる。

ただ、そこで終わりではありません。
『健康な人でも、タンパク質の過剰な摂取は腎臓を悪くさせてしまうのか?』という疑問点だ。








赤身肉は腎臓にダメージを与える可能性が高い。
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そこで立ち上がったのが2003年、ハーバード大学のナイトらは…腎機能が正常で健康であり、もしくは軽度の低下と診断された
1624名ほどの被験者を対象に、タンパク質の摂取状況と腎機能に関する11年間の追跡調査を行いました。

その結果…
『腎機能が正常な場合は、タンパク質の摂取量と腎臓病に関連性はない。』
『腎機能が低下している場合は、タンパク質の過剰摂取が腎臓病の進行を加速させる』


しかし…こういった研究報告を否定するような研究報告が発表されるのです。



2010年、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のリンらは、腎機能が正常な女性3348名を対象に、
タンパク質の摂取状況と腎機能に関する11年間の追跡調査が行われました。

その結果…
『高タンパク質な食事を定期的に続けていると、腎機能が低下する可能性がある』という結果に

こういった研究報告によって、タンパク質の大量摂取が腎臓に
ダメージを与えるかどうかの議論がますます激化していくことになってしまったのです。

それから1年後の2011年に、先ほど行ったリンらの研究グループから、再び議論に一石を投じる研究報告が発表された。

腎機能が正常な女性3121名を、よく摂取するタンパク質の食物源ごとに3つのグループ(西洋食・健康食・高血圧食)に分けて、
11年に渡る追跡調査を行った結果…腎臓病のリスクに最も関連していたのは『西洋食』だったということになる。

※西洋食…赤身肉(牛肉、豚肉、羊肉など)、加工肉、お菓子
※健康食…果物、野菜、豆類、魚、白身肉(鶏肉など)
※高血圧食…野菜、果物中心








赤身肉の過剰摂取すると、腎臓にダメージが!?
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2017年、タンパク質の摂取状況と腎機能について、これまでのない大規模な調査が行われました。

シンガポールの医療機関・シンヘルのルーらは、男女6万3257名を対象に、タンパク質の食物源による腎臓病の発症、
末期腎臓病への悪化の影響について、5年わたる追跡調査が行われました。

その結果…
『赤身肉を摂取すればするほど、腎臓病の発症や末期腎臓病への悪化リスクが高まる』ということがわかった。

また、1日に1食分の赤身肉の摂取を、白身肉や魚などに代替したところ…
腎臓病の増悪リスクが最大62.4%も減少したということも結果に現れた。

さらにドイツ・ヴェルツブルク大学のヘリングらは、健康な男女1万1952名を対象に、
タンパク質の食物源と腎臓病の発症リスクに関する23年間の追跡調査を行った結果を報告しています。

その中には、従来の研究結果を裏付けるように…
『腎臓病の発症リスクは、赤身肉の摂取量に関連して増加していく』というのが示されていた。
同時に『白身肉やナッツ、大豆、乳製品の摂取量の増加は、腎臓病の発症リスクを軽減させる』ということも示されていた。

これら一連の研究結果を分析し、2017年にレビューを報告したコペンハーゲン大学のケンパーらは、
『赤身肉に過剰な摂取が腎臓にダメージを与える可能性がある』
『白身肉や乳製品のタンパク質は腎臓にダメージを与えない』
という結論に至りました。

その理由としては、赤身肉は消化の過程で酸を生成して、この酸が腎臓に対して毒性を引き出すという風に考えられている。
そういった理由があるからこそ、腎臓にダメージを与える可能性があると指摘されている。

ここまでまとめるとこうなる。
・赤身肉(牛肉、豚肉、羊肉など)は、腎臓にダメージを与える傾向がある。
・乳タンパク質は鶏肉などの白身肉や魚と同様に、腎臓へのダメージはほとんどない。
・赤身肉を食べたいのであれば、過剰な摂取を避け、1日当たり1.62g/kg程度のタンパク質摂取では、腎臓にダメージを与える可能性は低い。

筋トレしている私たちは…鶏むね肉を好んで食べ、タンパク質補給としてプロティンを飲んでいるが、
腎臓にダメージを与えるようなリスクは少ないという風に捉えてもいい。








まとめ
  • 大量なタンパク質補給は腎不全を招いてしまう可能性が大きい。
  • 赤身肉が腎臓にダメージを与えてしまう要因に…
  • 乳製品、大豆、鶏肉、魚…といったものは腎臓にダメージは与えない。
  • プロティンも腎臓にダメージを与えることはない。(乳製品なので)

今回は『筋トレで飲まれるプロティンは腎臓に悪いのか?!』をご紹介させていただきました。
読んでいる筋トレトレーニーにとっては、ヒヤヒヤするような記事だったと思いますが…いかがだっただろうか?

よく巷で言われている「プロティンばっかり飲んでいると腎臓を悪くさせてしまう」ということだ。
もし言われたら「いや、ある研究結果では焼肉をたくさん食べている赤身肉が腎臓を悪くさせている原因だよ?」と答えよう。

筋トレー二ーが好んで食べている『鶏肉』『プロティン』は健康食であって、腎臓にダメージを与えないものだ。
こういった記事を読んで安心したのであれば、プロティン飲むことを不安にならないでドンドン飲んで行こう。