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人によっては、筋トレした後にプロティンは当たり前ですが…
糖質である『炭水化物』と一緒に摂取している人も多くいるのではないでしょうか?

しかし…そんな糖質+プロティンというのは果たして効果はあるのだろうか?

実は筋トレの論文によると、タンパク質を十分に摂取していれば糖質は必要はないと言われている。
タンパク質の吸収を早めるために、炭水化物を摂取しているだろうが…筋タンパク質の合成の効果は低いということだ。


ただ、糖質のメリットとしては筋グリコーゲンの回復や筋損傷の回復効果があるので、デメリットはないと言われている。

皆さんの思っている『タンパク質の吸収を早める』という効果を求めているのであれば、
そういった効果を求めないほうがいいということになります。


今回は『【最新の科学】プロティンと糖質は意味があるのか?』をご紹介していきます。







炭水化物の仕組みはご存知だろうか?
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皆さんが今、糖質+プロティンを組み合わせでどのような効果が得られると思っているのだろうか?

中には『タンパク質の吸収を早めるため』『トレーニングでエネルギーを使った分を補給するため』といったものが挙げられると思います。

さらには、あるテレビ番組やあるブログでは筋トレした後にタンパク質と糖質を取れば
筋トレの効果が2倍になったというのを聞いたことがあるだろう。

言うまでもないが、自分もそういったことを書いたことがあります。

しかし、今さらになってなぜこういった『糖質+プロティン』が効果がないと言われるようになったのだろうか?

それを解明していくには、身体のメカニズムを見ていきましょう。
人間のエネルギーを生み出す3大栄養素は、タンパク質・炭水化物・脂質である。

・タンパク質…臓器や皮膚、髪の毛、血液、酸素の原料。
・炭水化物+脂質…身体を動かすためのエネルギーの源。


炭水化物には、大きく分けると『糖質』と『食物繊維』という風に分けられます。

糖質は体内で消化・吸収されますが、食物繊維だけは消化されないでそのまま体外に排出されるので、
消化+吸収の視点からすると、『炭水化物=糖質』という扱いになります。


流行していた『糖質制限ダイエット』で「米などの炭水化物は控えましょう」というのはこういった理由があるからなんです。









糖質はグルコースとして、分解されてエネルギーに変わる。
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炭水化物に含まれている『糖質』は、タンパク質と同様に胃や十二指腸を通りながら消化酵素によって分解され、
小腸で単糖類(グルコース)にまで分解された後、吸収されるという仕組みになります。

そのあとに、グルコースは血液で溶け込んで、門脈を通って肝臓に運ばれいき、エネルギーとしてすぐに使う分は
血液中に放出されて、それ以外は『グリコーゲン』として貯蔵されるということだ。


引用先:移植医療センター


血液中のグルコースが消費されて血糖値(血液中の糖の濃度)が下がると、
貯蔵されていたグリコーゲンが分解され、血液中に放出されます。


逆に血糖値が上昇すると膵臓からインスリンが分泌されて、その働きによってグルコースは
筋肉の細胞内に取り込まれて、グリコーゲンとして貯蔵されるということになります。


簡単に言えば、炭水化物(糖質)を食べることで肝臓で分解されて、エネルギーを生み出すという事です。


エネルギーである炭水化物(糖質)が不足すると、今まで貯蔵されていたエネルギーの源
グリコーゲンを分解してエネルギーとして血液中に流して、身体を動かそうとします。

炭水化物(糖質)+脂質は、身体を動かす上でも最も大事な栄養素でもあります。





筋トレする前の炭水化物補給は意味がある。
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筋肉が収縮するためには、筋繊維に含まれているATP(アデノシン三リン酸)の分解が必要になります。

運動を長く続けていく上には、体内で耐えなくATPを分解して、エネルギーを作り出す必要になってくるのですが…
私たちの身体は驚くことにATPは少量しか蓄積することが出来ないので、使い果たしてしまったら、また補充しないといけないのです。

よく筋トレをする時に、「大きな筋肉から鍛えましょう!」と言われるのはこういった理由があるからなんです。
小さな筋肉を先に鍛えてATPを使い果たしてしまっては、次大きな筋肉を鍛えようとしても効率が悪いだけだ。

そんなATPを補充する仕組みとして3つあげられています。
・クレアチンリン酸系
・解糖系
・有酸素系


重量挙げなど(瞬発力系)で、ごく短時間×高強度の運動を行う場合は、
筋肉に含まれている『クレアチンリン酸』を分解して、ATPを作り出していきます。

筋トレのような1分程度×高〜中強度の運動では、
筋肉に含まれている『糖』を分解して、ATPを作り出していきます。

上記の2つは『無酸素運動』に分類されるので、酸素を使わないでATPを作り出せます。

一方、ジョギングなどの長時間×低強度の有酸素では、
筋肉に含まれるミトコンドリアが酸素を原料として、ATPを作り出していきます。

高〜中強度の運動となる筋トレでは、短時間で多くのエネルギーが必要になってきます。
そのため『エネルギーが枯渇(こかつ)しないように、筋トレ前に炭水化物(糖質)を摂取することが大事』と言われているのです。

筋トレ前の炭水化物(糖質)の摂取は下記の記事にて、ご紹介させていただきました。


高重量を上げることが多い筋トレ(例:胸、脚)をするのであれば、糖質の多いアンパン。
低〜中重量を扱うことが多い筋トレ(例:肩、背中)をするのであれば、糖質はアンパンより負けるがバナナ。

ただし…消化速度にも関係がありアンパンは1時間弱、バナナは40分というスピードもありますので、
仕事終わりにすぐ筋トレしたい人は、バナナを食べるという手もありますので、いろいろ工夫してみましょう。








インスリンが筋タンパク質に及ぼす効果!?
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身体が分泌するインスリンは、グルコースを筋肉の細胞内の取り込むのを助けるだけではなく、
実は、もう一つの重要な役割を持っているのです。

筋タンパク質は24時間、合成と分解を繰り返しているので、このバランスが釣り合うことで現状の筋肉量が維持されている。
これ以上に筋肥大化したいのであれば、筋タンパク質の合成が分解を上回らないといけない。

そのためには、筋トレによって筋タンパク質の合成感度を上昇させて、
タンパク質を摂取することで筋タンパク質の合成を促進させないといけないのです。

その筋タンパク質の『合成の促進』とともに『分解の抑制』を助けてくれるのがインスリンなんです。

近年の研究によると…インスリンは筋タンパク質の合成を促進させて、
分解作用を抑制する働きを持つ『mTOR』を活性化させるというのが分かっているのです。

筋トレした後に、タンパク質を加えて炭水化物(糖質)を摂取することで、血糖値が上昇してインスリンが分泌
それによって『mTOR』が活性化して、筋タンパク質の分解は抑制され、合成が促進される。

その結果…筋肥大の効果が最大化するという報告があったからこそ、
『筋トレした後にプロティン+炭水化物(糖質)を摂取しましょう』というのが広まった理由だ。

しかし…中には異議を唱える研究者がいたのです。









十分なタンパク質が取れていれば、炭水化物は要らない。
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2016年にアメリカ・ニューメキシコ大学のエスコバールらは、筋トレと炭水化物(糖質)に関する複数の
研究報告を分析し、その結果をまとめた中にはこういうことを述べていたのです。

『十分なタンパク質を摂取すれば、インスリンによる筋タンパク質への効果は代替可能である。』
『筋トレした後に、タンパク質摂取に炭水化物を合わせる必要はない』


昔からの考えを否定するような意見には、最新の研究報告の後押しがあるのです。

実は、近年になって様々な分野で最新技術を活用した研究が進んだおかげで、今まで考えられていたインスリンによる
筋タンパク質への効果が大きく見直されているのです。

1つ、2016年にイギリス・ノッティンガム大学から報告ではこう書かれている。
『インスリンによる、筋タンパク質の合成作用の促進効果は、それほど高くない』

その結果、インスリンは筋タンパク質の合成にはあまり影響せず、主に分解作用を抑制する役割のみという解釈が広がっている。

研究したエスコバールらの意見を踏まえていくと、炭水化物でインスリンの分泌をさせなくても、
十分なタンパク質を取れていれば大丈夫ということになる。









糖質は悪いものではない、しっかりとメリットもある。
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さらには、『筋トレには糖質が要らないのでは?』という研究もある。
2011年、マクマスター大学で行われた検証実験では、このようなものだ。

【実験対象】ニーエクステンション(レッグエクステンション)を行った被験者
・ホエイタンパク質(25g)のみ摂取したグループ
・ホエイタンパク質+糖質(マルトデキストリン50g)を摂取したグループ



引用先:Alpen



【結 果】
筋タンパク質の合成率と分解率を測定したのですが、どちらも有意な差が認められなかった。
糖質+タンパク質を摂取すれば、筋肥大化すると思っていたのですが…差はないという結果に。







さらに別の大学であるフィンランドのユヴァスキュラ大学からは、
『タンパク質+炭水化物の摂取による長期的な効果』を調べた研究結果がある。


【実験対象】4週間の予備的なトレーニングを行った被験者
・ホエイタンパク質(30g)のみを摂取したグループ
・糖質(マルトデキストリン50g)のみ摂取したグループ
・ホエイタンパク質+糖質を一緒に摂取したグループ



【結 果】
各グループは全身の筋肉量と大腿四頭筋(太もも前面)の筋肥大は明らかに増加していたが…
『ホエイタンパク質のみ』と『ホエイタンパク質+糖質』したグループの筋肉量の増加率には、有意な差が見られなかった。

こういった報告を踏まえて、エスコバールらはこう答えたのです。
「タンパク質に炭水化物(糖質)を合わせて摂取する効果は、タンパク質の摂取量に依存する。」
「筋タンパク質の合成に十分な量のタンパク質を摂取すれば、インスリンによる更なる効果は低い」

国際スポーツ栄養学会(ISSN)が2017年に報告した公式見解も、エスコバールらの意見を支持しているという。


これまで長々と研究報告を並べていきましたが…例え筋タンパク質合成への効果が低いとしても、
糖質の摂取には、筋グリコーゲンの回復や筋損傷の回復効果も示されている。

私たちが真剣に鍛えている筋トレーニングの量が多いトレーニーにとっては重要な事です。
筋タンパク質への効果だけに限らず、糖質ならでの総合的なメリットをすくいとって、摂取してみるのも悪くない。








まとめ
  • 炭水化物は大きく分けると『糖質』と『食物繊維』
  • 糖質は分解されて、身体を動かすエネルギーに変わる
  • 筋トレ前の炭水化物補給は効果的で、意味がある。
  • 十分なタンパク質が取れていれば、炭水化物は要らない。
  • 糖質は悪いものではなく、しっかりとメリットはある。

今回は『【最新の科学】プロティンと糖質は意味があるのか?』をご紹介させていただきました。

今まで効果的であると言われていた『プロティン+糖質』なんですが…
最近の筋トレ科学では、筋タンパク質の合成を高めるものではないという結果になりました。

しかし…筋トレする前の炭水化物補給は、身体を動かす上でのエネルギー補給としては効果は認められている。筋トレ中のエネルギー補給として、マルトデキスリンを溶かした『カーボドリンク』も筋損傷の回復には良いと言える。

ただし!筋タンパク質合成率を高めようとしての目的であると効果はないという事になります。
炭水化物(糖質)はあくまでも身体を動かすエネルギーと思って、補給しておきましょう。